athome-developer’s blog

不動産情報サービスのアットホームの開発者が発信するブログ

未経験エンジニアがアプリ開発保守業務に携わった半年間の成長の実感

目次

はじめに

自己紹介とブログの趣旨説明

はじめまして、Cメディア開発グループ、アプリチーム所属の土居です。
2023年4月に入社し、今年で2年目になります。
業務としては、「不動産情報アプリ アットホーム」と「お部屋探しアプリ アットホームであった!」の開発保守を行っています。
その中でも特に、不具合対応や調査依頼の対応といった保守業務がメインになります。
各アプリについては下記記事でもご紹介しているので、ぜひご覧ください!

dblog.athome.co.jp

dblog.athome.co.jp

2024年1月に現部署に配属されるまでは社内の研修を受けていたため、アプリ開発保守業務を担当してから半年と少しになります。
入社前のプログラミング経験はなく、未経験でのスタートでした。
このブログでは、私がプログラミング未経験で入社し、現部署に配属されてから現在までの約半年間で、どのような成長を実感しているのか、入社2年目ならではの視点としてご紹介させていただきます!

アプリチーム配属前に経験したこと

現時点との成長度合いの比較対象として、配属時点までの私の経験値を下記の表にまとめました。

上記の通り、外部研修・社内研修を通し、システム開発の一連の経験を積んだ状態で、アプリチームの業務に携わることとなりました。

アプリチーム配属時に感じた課題

研修による経験はあったものの、実際にアプリチームという現場に配属された際には、多くの課題を感じていました。
特に下記の4件が印象的でした。

  • 担当した2つのアプリは、仕様や仕組みが大きく異なるものであったため、それぞれについて一つずつ理解する必要があった
  • 現場ならではの開発ルールを学ぶ必要があった
  • アプリならではのファイル構成や仕組みであったため、目的のファイルの発見やソースコードの読解に苦戦し、時間をかけて理解する必要があった
  • 配属前の研修では原因などを自身で「調査」することがほとんどなかった一方、アプリチームでは不具合の原因究明などの調査をすることが多かったため、対応について一から教えていただく必要があった

研修ではアプリ開発でも使用しているプログラミング言語を学び、さらにシステム開発の流れを体験したことで、基礎的な部分では比較的つまずくことなく取り組めたように感じています。
しかし上記の課題のように、研修時とのギャップを感じる部分では苦戦することとなりました。

問題解決への取組みと成長の実感

前述した課題について、その問題解決への取組みとして、下記2点を特に心がけ、日々の業務に取り組みました。

  • 業務として与えられたタスクを一つ一つ丁寧に対応すること
  • 一度対応したことは自分で説明できるくらいに理解すること

その結果、「配属当初と比較し、できるようになったことが増えている」ことで、成長を実感しています。
ここで、具体的にどのように成長したのか深掘りをしました。
まず浮かんだのは、業務内容や必要なツールに関する知識量の増加や、社会人としてのコミュニケーション力の向上です。
そして結論として、後述する不具合対応のような経験を積んできたことから、一番成長を実感したのはアプリ開発保守業務に必要な調査の能力という意味での「調査力」であると考えています。

実際に対応した不具合対応の紹介

どのような経験や実感を以て「調査力」が成長したと考えたのか、具体例として、配属されてちょうど半年経った頃に対応した不具合対応についてご紹介します。

発生した不具合の概要

今回の不具合は、「不動産情報アプリ アットホームと不動産情報サイト アットホームにおいて、表示されている内容が異なる部分があった」というものになります。
各サービスの不動産会社の情報を表示する画面において「開業・開店年数」という項目がありますが、その表示される年数が、不動産情報アプリ アットホームと不動産情報サイト アットホームで1年異なっているという事象が発生していました。
「開業・開店年数」の表示例

  • 不動産情報アプリ アットホーム→2年
  • 不動産情報サイト アットホーム→3年

不動産情報サイト アットホーム側の仕様が正しく、不動産情報アプリ アットホーム側の不具合であるということが判明したため、アプリチームに調査依頼が届く運びになりました。
そして、「不動産情報アプリ アットホームではどのようなロジックで開業・開店年数を取得しているのか」を目的とし、私が調査を担当することとなりました。

対応内容

対応1:不具合箇所の特定

上記の依頼を受けまず行ったことは、システムの流れのどの時点で開業・開店年数の値が期待する値(不動産情報サイト アットホームで表示される年数)と異なるものになっているのかの確認です。
アプリの設計として、開業・開店年数は、不動産会社の情報が保存されているDBからAPIを経由し、フロントエンドでの編集処理により画面に表示される、というものになっています。
不動産情報アプリ アットホームのみ不具合が発生していることから、下記2つの可能性があると考えました。

① フロントエンド側で、画面に表示をする際に不具合が発生している可能性

② フロントエンドにデータを与えているAPIのレスポンスの年数の値が、そもそも異なっているという可能性

簡易的な図にすると、下記のようになります。

よって、2つの可能性について順番に調査を行いました。
まず①に関しては、ソースコードではどのような処理で年数が画面に表示されるようになっているのかを確認しました。
その結果、フロントエンド側の処理としてはAPIから取得した年数のデータを表示しているだけで、その値を編集するような処理はなかったため、特に問題がない可能性が高いことが分かりました。
そして②に関しては、ブラウザの開発者ツールを用いて、該当のAPIのレスポンス内容を調べました。
その結果、APIのレスポンスの時点でデータが期待する値とは異なり、ここで問題が発生していることが分かりました。

対応2:API担当者への調査依頼

対応1により、フロントエンド側ではなくバックエンド側のAPIに不具合の原因がある可能性が高いと分かったため、次はバックエンド側で原因調査を行っていく必要があります。
しかし、前述した自己紹介の通り私はフロントエンドの担当であるため、自身が調査を行うのではなく、別のAPIを担当する方に調査を依頼する必要がありました。
よって、対応1のフロントエンドでの調査結果をまとめたものと、該当のAPIの情報(API名・リクエスト・レスポンス情報など)をAPI担当者に伝えたうえで、調査を依頼しました。

調査結果

対応2の結果、本不具合はAPIの仕様に下記のように差異があったことを原因として、不動産情報アプリ アットホームにて1年少ない年数が表示されてしまっていたということが分かりました。

  • 不動産情報アプリ アットホーム:月を切り捨てる仕様になっており、開業した年を「0年」としていた
  • 不動産情報サイト アットホーム:月を切り上げる仕様になっており、開業した年を「1年」としていた

以上の結果を報告し、今回の調査依頼の対応は完了となりました。

不具合対応を通して得た気付き・まとめ

アプリチームに配属されて以降、今回のような不具合の対応や調査をすることが多々ありましたが、今回の対応を通して、数々の課題を感じた配属当初と現在の自分を比べ、特に下記3点について、変化や成長があったと感じることとなりました。

  1. 調査方法の習得
    例えば今回用いた開発者ツールについて、当初は「画面の要素を確認できる」くらいの認識だった
     ⇓
    現在は、ログやネットワーク状況、APIとの連携部分など、以前より確認できる内容が増え、ツールへの理解度が以前より上がっていると感じる
  2. 必要な調査方法を判断するための業務の理解や知識量の増加
    当初は調査依頼が届いても何をしたらよいのか分からなかった
     ⇓
    現在は、不具合の内容を確認したうえで、どんなツールを用いてどこを調べていくとよいのかなど、必要な調査内容を以前より判断できるようになった
  3. 連携時に必要なコミュニケーション力の向上
    当初は誰にどのように連携すればよいのか分からなかった
     ⇓
    今回はAPIの担当者に調査依頼をしたように、依頼にあたっての適切な情報共有を行い、他の方と連携して改修対応を進められるようになった

成長を実感した内容は「調査力」であると前述しましたが、上記3件をまとめた力としての表現になります。
よって、以上を理由として、現在の業務の総合的な力として「調査力」がついてきていると実感したのでした。

おわりに

いかがでしたでしょうか?
最近は技術をご紹介をする記事が多かったため、新鮮な気持ちでお読みいただけていたら幸いです。
私としても、今までの自分を振り返り、成長点を探すという機会がなかなかなかったため、客観的に自分を見つめ直すとても良い機会になったと感じています。
今回は成長をテーマとした記事とするため、できるようになった点をメインにご紹介しましたが、まだまだ覚えるべきことや身につけるべきことも多く、周りの方々に助けていただくことも多い現状です。
現状の課題と向き合い対策することで、今後も着実に力をつけていき、より良いアプリを皆さまにご利用いただけるよう努めてまいります!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!