はじめまして。WEBデザイングループの伊東です。
2019年に新卒で入社し、早いもので5年目になりました。
私の所属するWEBデザイングループでは、不動産情報サイト アットホーム や 不動産情報アプリ 「アットホーム」 のデザイン~コーディング、バナーの作成、記事に載せる画像作成 などなど‥ 主に消費者向けサービスのあらゆるデザイン業務を担っております。
本題に入りますが、ここ数年でよく耳にするようになった「AI」。
「ChatGPT」のような対話形式で質問に答えてくれるものから、「Ponanza(将棋AI)」のような一部の機能に特化したものまで、多種多様なAIが存在しています。
中でも私が気になっているのが「画像生成AI」で、テキストや情報を入力すると自動で画像を作成してくれる、という大変便利なAIです。
これを上手く使いこなせれば業務にも活用できるのではないか?と思うのですが、画像生成AIだけでもものすごい種類があるため、どれを使えばよいのか迷ってしまいます。
なので今回のブログ執筆を機に、どの画像生成AIが使いやすいか・用途に合っているかを調べて実際に使ってみました!
目次
【クイズ!】画像生成AIを使用して作成したアイコンはどれでしょう?
突然ですが問題です!
まずはこちらをご覧ください。
これらは「家」や「マンション」のような建物をモチーフにしたアイコンです。
実はこの中に画像生成AIを使って作成したものがあるのですが、いくつあるか分かりますか?
正解は
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
こちらの6つです!(赤枠のもの)
なんとほとんどAIを活用して作成したものでした。
では、これらの画像をどのように生成したのか詳しく解説していきます。
【検討】どの画像生成AIを使うか
まずはどの画像生成AIを使うかを検討するところからはじめました。
冒頭で「ものすごい種類がある」と記載しましたが、個人的に気になったものを一部抜粋して紹介します。
画像生成AI サービス一覧
※2023年7月時点
※横スクロールでご確認ください
サービス | 日本語 対応 |
商用利用 | 料金 | 備考 | |
× | ◎ | 従量課金制 (無料:初回登録時に約200枚作成可能) |
|||
〇 | ◎ | 無料 | |||
× | ◎ | 複数プランあり ※無料版もあり | 有料版: より精度の高い画像を生成できたり 生成速度が上がる。 |
||
オープンソース |
△ | ◎ | 無料 |
Stable Diffusionを 簡単に使うためのツール。 日本語化をするには上記ツールの オプションから設定可能。 |
|
× | ◎ | 複数プランあり プラン表 ※お試し版は現在停止中 |
Discordのコミュニティから使用 | ||
〇 |
〇 ※生成画像に |
従量課金制 (無料:初回登録時50、毎月+15) |
登録が必要 | ||
〇 |
△ ※明記されていないが |
無料 |
登録が必要 |
||
◎ | ◎ | 無料 | 登録が必要 (Adobeアカウント) |
||
ー | ◎ | Adobe PhotoShopのライセンスが必要 | 登録が必要 (Adobeアカウント) |
||
◎ | ◎ | 複数プランあり
画像生成 (Text to Image自体はプラン毎の違い無し。 1日100枚) |
※日本語対応 〇:
日本語でも生成できますが、英語の方が精度が高い画像が生成されます。
試しにhuggingfaceで「赤い屋根の家」「red roof house」をそれぞれ生成してもらった結果、日本語(左)だと「家」しか判別できていないようです。
(赤 屋根 家 のような単語区切りでも同じような結果になりました)
上記表の画像生成AIをそれぞれ少し使ってみて、気になった下記3つの画像生成AIを使用してみたいと思います。
- 無料+登録も不要なため
-
Adobe Firefly(Beta)
無料+普段業務で使用している「Adobe」の提供する画像生成AIがどんなものなのか気になるため - Canva
一部無料+サイトの雰囲気がおしゃれ
【実践】画像生成AIを試してみます!
Hugging Face
まずは登録不要で手軽に試すことができる「Hugging Face」で下の画像のページで使っているような、物件の種類を表すアイコンを作成してみたいと思います。
今回は「マンション」のアイコンを作っていきます。
とりあえずそのまま「apartment icon(マンションのアイコン)」と入れて生成してみたところ‥
こんな感じで生成されました。
マンションには見えるのですが、アイコンとして使用するには詳細に描かれすぎているので「silhouette(シルエット)」という単語を追加して再生成すると
思っていたものに近づきました!
特に左上のものは切り抜いて色を調整すれば使えそうです。
単語はできるだけ多く、優先順位の高いものから入力するのがコツのようです。
Adobe Firefly(Beta)
次に「Adobe Firefly(Beta)」を使ってみました。
まずは比較のため「apartment icon」と入力したところ
最初からちゃんとアイコンらしい画像が生成されました。切り抜いてそのまま使えそうです。
また、「Hugging Face」の入力欄はキーワードと、除外したいキーワードを入れる”ネガティブプロンプト”のみでしたが、「Adobe Firefly(Beta)」はオプションが多数あるようです。
Adobe Firefly(Beta) のオプション
Aspect ratio:サイズ
Content type:画像の雰囲気
Styles:より細かい雰囲気
Color and tone:配色、トーン
Lighting:照明
Composition:アングル
こちらをいろいろ設定して再生成してみると
よりアイコンらしい画像が生成されました!
よく見ると家の中に「q」のような文字があったり、何を表してるのか分からない部分もありますが、そのあたりは人間の手で調整すれば使えそうです。
Canva
最後に「Canva」を使ってみます。
まずは「apartment icon」を入力してみます。
ポップなアイコンが生成されました。
また、「Canva」も「Adobe Firefly(Beta)」より種類は少ないですが、スタイルを設定することができるので「グラデーション」にチェックを入れて再生成したところ、
ガラッと雰囲気の変わったものが生成されました。
そしてここからが「Canva」のすごいところなんですが、
生成した画像やテキスト等を自由に配置して、バナーやサムネイルをブラウザ上で作成することができるんです。
専用のソフトがなくてもブラウザ上で簡単にデザインを作成できるのは、かなり便利なのではないでしょうか。
テンプレートもあるのでデザイン経験が浅くても、簡単にバナーやサムネイルを作ることができます。ぜひお試しください!
【結論】工夫すれば業務で活用することができそう
3つの画像生成AIを使っていくつかの画像を生成しましたが、タイトルの「画像生成AIは業務で活用できるのか」の結論としては、工夫すれば業務に活用することができそうです。
それぞれの画像生成AIの特徴は下記の通りです。
手軽に画像生成AIを使ってみたいなら「Hugging Face」
より完成度の高い画像を生成・実際に使用するなら「Adobe Firefly(Beta)」
画像生成に加え、ブラウザ上で細かいデザインまで作成するなら「Canva」
用途に合わせて使っていきたいですね。
また、今回紹介したのはアイコンでしたが、それ以外にも
↑ バナーを作成したり、
↑ 現実では起こりえない画像を生成したり、
↑ キャラクターを作成するヒントにしたり‥
使い方は無限大です!
どの画像生成AIも思っていた以上のクオリティのものを生成してくれて、誰でも簡単にデザインができる時代がやってきてるんだなと実感しました。
今後はデザイナーとして、AIに負けないようにデザインスキルを高めつつ、AIに助けてもらえるところは助けてもらいつつ、良い付き合い方をしていけたらなと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!